着色例・着色見本

梅シロップの着色

 6月の梅雨の時期にしか手に入らない梅を使って梅漬けと梅シロップの着色を行いました。ここでは梅シロップの着色について紹介します。

梅シロップは青梅から簡単に作れて、しかも甘みと程よい酸味が疲労回復や夏バテによいということで、自宅で作られる方が多いと思います。そこで、梅シロップに色を付けてみたら…?ということで今回、梅シロップを作り、それを元に着色梅シロップを作りました。

 レシピはいろいろありますが、今回用いたレシピは梅10,砂糖8、塩1の割合のものを使いました。この場合、できた梅シロップのpHは約3と思ったよりも酸性になっていました。梅にはクエン酸やリンゴ酸などの有機酸が4~6%含まれていると言われており、このpHはこの有機酸によるものです。ちなみに完熟した梅にはクエン酸が多く、青梅にはリンゴ酸が多いことが分かっています。いずれにしてもこのくらいのpHだと、アントシアニン系の色素はきれいに発色します。梅と言えば定番の赤紫蘇の赤色もこのアントシアニン色素です。

 着色見本の写真を以下に載せましたが、無着色の梅シロップは完全な白色というわけではなくわずかに赤みがある乳白色になりました。この色がベースになりますので、同じ天然色素を使っても水や透明な飲料、あるいは乳飲料と比べてやや色調に違いがみられるのが分かるかと思います。

 全体的にアントシアニン色素の赤色は綺麗な色合いを示しています。やはり梅漬・梅干しなどで使う赤紫蘇の色は一番馴染みがよいような色合いに思いますがいかがでしょうか。

 また、今回は赤色以外の色素でも着色してみました。ベースが乳白色と不透明なためか、全体的にはっきりとした色合いになりました。

 トウガラシ色素   ⇒ 梅+ピンクグレープフルーツ味
 パーム油カロテン  ⇒ 梅+マンゴーシロップ味
 クチナシ黄色素   ⇒ 梅+レモン味
 クチナシ青/黄色素 ⇒ 梅+抹茶味
 クチナシ青色素   ⇒ 梅+ブルーハワイ味
 クチナシ赤色素   ⇒ 梅+グレープ味

 というような感じではいかがでしょうか。

Recipe <梅シロップ約5L分>

<梅シロップ>
   青梅           10kg
   砂糖           8kg   
   塩(青梅の10%) 1kg
   ホワイトリカー      適量
   色素(下表参照)

<色素>
※色素濃度は梅シロップ(5L)に対して

シソ色素 ニチノーカラー R-S220A 20g(0.4%)
アカダイコン色素 ニチノーカラー R-R120A 5g(0.1%)
ムラサキイモ色素 ニチノーカラー 紅イモ色素M 5g(0.1%)
アカキャベツ色素 ニチノーカラー 赤キャベツ色素N 5g(0.1%)
トウガラシ色素 ニチノーカラー パプリカ色素30S 0.5g(0.01%)
パーム油カロテン ニチノーカラー Y-ASP10 5g(0.1%)
クチナシ黄色素 ニチノーカラー YN-30 0.5g(0.01%)
クチナシ青色素
クチナシ黄色素
ニチノーカラー GK-S 15g(0.3%)
クチナシ青色素 ニチノーカラー BLUE-B150 5g(0.1%)
クチナシ赤色素 ニチノーカラー クチナシR-50LB 5g(0.1%)

<作り方>
  ① 水洗いしてあく抜きした青梅の水気を十分に取り、なり口のホシを取り除く。
  ② 梅にホワイトリカーをからめて塩をまぶす。一粒一粒に塩を馴染ませる。
  ③ そのまま水気が出るまで約3時間ほど置いておく。
  ④ 梅を軽く水洗いして塩気を洗い落す。水気をしっかりふき取る。
  ⑤ (梅の方も砂糖漬として食べられます。
    その場合はここで梅を半分に割って種を取り除いていたほうがよいです)
  ⑥ 殺菌した容器に梅と砂糖を交互に入れる。上部は砂糖で梅が隠れるようにする。
  ⑦ このまま冷暗所で保管し、時々混ぜて様子を見る。
  ⑧ 砂糖が完全に溶けたら中身を取り出して梅とシロップに分ける。
    このレシピでだいたい5Lの梅シロップがとれます。
  ⑨ 色素は梅シロップに対して所定の量を加えてよく混ぜます。  

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