着色例・着色見本

マヨネーズ(風ドレッシング)の着色

マヨネーズ(風ドレッシング)の着色

 卵を使った調味料として誰でも知っているマヨネーズですが、実は日本では日本農林規格(JAS)でマヨネーズの定義が決まっており、これを満たしていない場合はマヨネーズと名乗ることができません。

 そのマヨネーズの定義ですが、
 「半固体状ドレッシングのうち、卵黄又は全卵を使用し、かつ、食用植物油脂、食酢もしくはかんきつ類の果汁、卵黄、卵白、たんぱく加水分解物、食塩、砂糖類、はちみつ、香辛料、調味料(アミノ酸等)及び香辛料抽出物以外の原材料を使用していないもの」
 「原材料に占める食用植物油脂の重量の割合が65%以上のものをいう」
という2項目があります。

 従って、今回はマヨネーズへの着色を紹介していますが、着色料は上記の定義の中に入っておらず、使用するとマヨネーズの定義から外れてしまうためにマヨネーズとは名乗れなくなってしまいます。しかしながらスーパーではたらこマヨネーズやわさびマヨネーズなどをよく見かけます。これらはどういう扱いになっているかというと、ジャンルとしては「半固体状ドレッシング」や「マヨネーズ風ドレッシング」という名前で販売されています。一度商品の裏面の原材料表示をごらんください。  

 このような注意点もありますが、今回マヨネーズを天然色素で着色してマヨネーズ風ドレッシングを試作しました。

着色見本

 マヨネーズ(本来はマヨネーズ風ドレッシングですが、ここでは「マヨネーズ」とします)に着色する際に考慮しなければならないのは、素材自体に既にある程度色がついていることと、水の中に油が分散している乳化物であることです。通常マヨネーズは卵に酢や水や調味料などの水系の原料を先に混ぜておいて、それに油脂を少しづつ加えて攪拌、乳化して作ります。天然着色料には水系と油系の2種類があるので、水溶性の色素であれば水系の原料に、油溶性の色素であれば油脂に添加して使うことができます。今回は水溶性の天然色素を水系に加える方法で作りました。

 その結果、写真にあるように非常にきれいな仕上がりになりました。ベースのマヨネーズの色合いと合わさって全体的に柔らかい色調になりました。実際の商品でもたらこマヨネーズにベニコウジ色素が、わさびマヨネーズにクチナシ青色素とベニコウジ黄色素やベニバナ黄色素の緑色の混色が使われている例もあります。

 また通常卵を使う生クリームやケーキ類はpHの問題でアントシアニン色素のきれいな色が出にくいのですが、写真のムラサキイモ色素のように、アントシアニン系色素でもマヨネーズでは非常によい赤色になりました。これはマヨネーズを作る際に通常水系の中に酢を加えるため、pHが酸性寄りになっているためです。

Recipe <約12.5kg分>

 <マヨネーズ>
   卵黄       2kg   
   サラダ油     9kg
   酢        1.5kg
   色素(下表参照)

 <色素>

クチナシ黄色素 ニチノーカラー YN-30 125g(0.1%)
クチナシ赤色素 ニチノーカラー クチナシR-50L 375g(0.3%)
ベニコウジ黄色素・クチナシ青色素 ニチノーカラー GM-76 750g(0.6%)
クチナシ青色素 ニチノーカラー BLUE-B150 125g(0.1%)
ベニコウジ色素 ニチノーカラー MNS-R 625g(0.5%)
トウガラシ色素 ニチノーカラー PE-10 125g(0.1%)
ムラサキイモ色素 ニチノーカラー 紅イモ色素M 250g(0.2%)

 <作り方>
   ① ミキサーに卵黄を入れてよく混合する。
   ② サラダ油を数回に分けて投入し、更に攪拌する。
   ③ ②に酢を数回に分けて投入し、更に攪拌する。

COPYRIGHT (C) NICHINOSHOKUHIN ALL RIGHTS RESERVED