液体を天然色素で着色する場合、ベースとなる液体が透明か不透明かで色の見え方が大きく変わります。今回、不透明な飲料として代表的な牛乳に着色した場合の色合いを比較してみました。写真は左側が着色前(牛乳)、右側が着色後の試作品です。
黄色はクチナシ黄色素、ベニバナ黄色素、カロテン類色素で着色しました。クチナシ黄色素は赤みが強い黄色ということもあり、柑橘系以外にもマンゴーやコーンスープのイメージで使われています。
ベニバナ黄色素は元々青みが強い傾向があり、柑橘系の中でもスダチや青みかんなど未熟果のイメージで使われています。
カロテン類色素はクチナシとベニバナの間の色合いで、バナナやパインなどのイメージで使われています。
青色は、この写真にある3点ともにクチナシ青色素で着色しました。クチナシ青色素は各社でこのように若干色合いが異なることがあります。青色の飲料はブルーハワイなど限られたイメージしかありませんが、逆にインパクトを持たせるためにエナジードリンクなどに加えてみるのも面白いのではないでしょうか。
緑色の不透明な飲料というと青汁や野菜ジュースなどの野菜系飲料が思い浮かびます。緑色イコールクロロフィルというイメージがありますが、残念ながら飲料に使うには光に弱いクロロフィルは適していません。しかしながら野菜飲料で使われる野菜類はもちろん天然のため、時期や気候によって色合いが変わってしまうことがあります。それに対して一定の品質を保つために、クチナシ青色素と黄色の色素を混合して緑色を補色することが行われています。
ここでは黄色の色素としてクチナシ黄色素とベニバナ黄色素を用いています。上でも述べましたが、赤みが強いクチナシ黄色素の方が緑色が濃いイメージになります。