着色例・着色見本

アントシアニン色素を使った蒸しパンの着色

※禁無断転載

蒸しパンを各種の天然着色料で着色してみました。

蒸しパンは膨張剤としてベーキングパウダーを使用しますが、そのためにpHが中性域となってしまい、アントシアニン系の色素では色が変色してきれいな着色にならず、使用しづらい組み合わせでした。

 その中で、各種のベーキングパウダーを取り扱いされている株式会社アイコク様からアントシアニンを含む食材向けのベーキングパウダーのサンプルを頂き、蒸しパンを試作したところ、非常にきれいな色合いが出ましたので、同社の許可を頂いてここで紹介します。

 今回の試作に用いた色素は代表的なアントシアニン色素4種類に、アントシアニンではありませんが赤系の天然色素であるビートレッドを加えた計5種類の天然色素です。いずれも通常のベーキングパウダーと「紫色用-2」を用いて同様に蒸しパンを試作して比較してみました。

 その結果、下の写真に示したように、通常のベーキングパウダーを用いた場合はいずれも青や緑色に変色してしまいましたが、「紫色用-2」を用いた場合は赤~赤紫色の蒸しパンになりました。興味深いのは、今回の蒸しパンでは各々のアントシアニン色素の色調の違いが他の食品よりも大きくみられたことです。例えばムラサキイモ色素やアカダイコン色素は赤紫色になったのに対してシソ色素は明らかに赤みが弱い色になりました。この違いは各々のアントシアニンの種類や構造の違いによるものと思われます。

 いずれにしても「紫色用-2」を用いることで、皆様の蒸しパンや焼き菓子、パウンドケーキなどにアントシアニン色素のきれいな色合いを出すことができるようになるかもしれません。

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