アカネ科クチナシ(学名:Gardenia augusta MERRILLまたは、Gardenia jasminoides ELLIS)の果実より水または含水アルコールにて抽出、高度な精製を経て得られたカロテノイド系の黄色色素です。440nm付近に最大吸収波長を持ち、水に溶解して黄色を呈します。中性付近~アルカリ性では、熱に対しては比較的安定ですが、光に対してはやや不安定です。水・アルコール・プロピレングリコール・酢酸等に可溶、油脂類には不溶です。日農化学工業(株)のクチナシ黄色素は、精製により緑変の原因となるイリドイド配糖体を除去、原料由来のにおいも低減しています。液体、粉末品の他、溶けやすい顆粒品もご用意しています。
外観 | Y-KH15:濃橙黄色の液体、Y-S15P:橙黄色の粉末、Y-3000:橙黄色の顆粒。 |
---|---|
色調 | 本品は僅かに特有のにおいを有し、水に溶けて鮮明な黄色を呈します。 (λmax=440nm付近) |
pH | 酸性:酸性での色調変化はありませんが、経時安定性がやや劣ります。 アルカリ性:アルカリ側での経時安定性は優れています。 アルカリ溶液中では、徐々に加水分解されてクロセチンに変化します。クロセチンはクロシンに比べ、緑味の黄色(赤味が減少する)になるため、見掛けの濃度が下がったように感じられることがあります。 |
溶解性 | 本品は水、アルコール、酢酸に可溶、油脂に不溶です。粉末、顆粒品は賦形剤、希釈剤としてブドウ糖などを含むため高濃度のアルコールや酢酸中で不溶物を生じることがあります。 |
染着性 | 蛋白質、澱粉質などへの染着性は比較的優れています。蒲鉾などに使用したとき、食用黄色4号に比べて浸透、溶出性は少なくなっています。沢庵漬けに使用するとき、大根内部への浸透速度は遅く、食用黄色4号に較べ5倍以上の時間を要します。 |
耐熱性 | アルカリ性から中性域では比較的安定ですが、酸性側ではやや劣ります。 通常の加熱調理には耐えられます。 |
耐光性 | 光に対してやや不安定ですが、別記用途の項にあるような各種食品に使用されています。 本品の0.16%水溶液(pH3.0)の、蛍光灯3000Lux・4日間照射後の色素残存率は約100%です。 |
ニチノーカラー Y-KH15 | 濃橙黄色の液体 | 用途:中華麺、漬物、たまご焼き等 |
---|---|---|
ニチノーカラー YN-30 | 濃橙黄色の液体(油分散性乳化製剤) | 用途:中華麺、漬物、菓子等 |
ニチノーカラー Y-S15P | 橙黄色の粉末 | 用途:中華麺、漬物、菓子等 |
ニチノーカラー Y-SH60 | 橙黄色の粉末 | 用途:中華麺、漬物、菓子等 |
ニチノーカラー Y-3000(顆粒) | 橙黄色の顆粒 | 用途:中華麺、漬物、菓子等 |
ニチノーカラー クチナシT-O | 濃橙黄色の液体(油分散性乳化製剤) | 用途:チョコレート等 |